7:00 起床
湖水地方に移動するために早起きして朝食に取りに行くと、顔見知りのホールスタッフが席に通してくれた。あまり時間がないのでビュッフェだけにすると告げると、「オムレツならすぐにできるわよ」と意外な応え。それならば、とオムレツの「全部入り」を頼む。ビュッフェの野菜を食べていると、確かにすぐにオムレツがサーブされた。大振りのオムレツはフワッとしていて、ハム、チーズ、刻み野菜がたっぷり。これまでレストランで食べた中で、一番美味しいオムレツだった。

彼女は笑顔を見せないクールなタイプだが、「エッグベネディクトのオランデーズソースにはタバスコが合うわよ」とか(濃厚なソースがスッキリした風味になって、目から鱗の美味しさだった)、「スムージーの新フレーバー飲んだ?」とか(飲んでみたら美味しかった)、適宜有用なことを教えてくれる。まるでしばしばタイムリーヒットを打つ、勝負強いバッターのようだ。
「お陰で温かいものを食べられて、お腹が一杯になったよ。チェックアウトして、月曜日に戻ってくるね」とお礼を言うと、「来週はいないから会えないけど、引き続き旅を楽しんで」と少し微笑んで送り出してくれた。こういう時、ロンドンに常宿があってよかったと思う。
湖水地方(Lake District)について
昨年(2025年)8月、Oasisのロンドン公演とエディンバラ公演の合間にはじめて湖水地方に行った。緑が豊かで空気もキレイで、75日にわたる長旅の中で息をつけた数少ない場所の一つだったので、またいつか来てみたいなとは思っていたけれど、まさかその9ヶ月後に再訪することになるとは。でも、花芽吹いた頃に行ってみるのもいいアイディアではないか。
明後日にはバースに移動してヴァン・モリソンのライブを観るため(これが当初の旅の目的)、湖水地方に割ける日程は、わずか1泊2日。そこで、「ロンドンからの電車の往復チケットとホテル代込み、現地ガイドは日本人」というパックツアーに申し込んだ。一つずつ自分で手配することもできるけど、スペイン旅行の手配が諸々あるので、湖水地方は他人様に段取りをお願いして、リラックスしながら旅することに。
8:00 ホテルチェックアウト
ホテルにスーツケースを預かってもらい(これも常宿の恩恵だ)、地下鉄でユーストン駅に向かう。
8:25 ユーストン駅到着
昨年8月に湖水地方に向かった時は、本来は湖水地方の入口であるオクセンホルム(Oxenholme)駅で電車を乗り換え、ウィンダミア(Winderemere)駅まで行くはずだったが、強風の影響でプレストン(Preston)駅で電車が止まってしまった。仕方なくプレストン駅からUberでウィンダミアのホテルまで向かうことに。


去年はプレストン駅で電車が止まってしまった
2025年8月、途中で電車が止まった話はこちら↓

8:47 ユーストン駅出発
オクセンホルム駅までは2時間20分。


テーブル席に座ると、テーブルの真ん中に何やらしるしが。「ここに置いたら充電できそうだな」と思いながらスマホを置くと充電が始まった!進んでる。
日本の新幹線から売店と車内販売がなくなって久しいが、トイレに立つと軽食や飲み物の売店があった。


湖水地方が近づいてくると、車窓から黒い羊が見える。これはハードウィック (Herdwick)と呼ばれる湖水地方で飼育される品種で、生まれた時は全身が真っ黒だが、成長するにつれて頭部が白くなり、体毛もこげ茶からグレーへと変化していく。この黒い羊の赤ちゃんは、この時期しか見ることができない。

12:10 オクセンホルム駅到着
降車時、ステップに「HITACHI」のロゴを見つける。今回の旅行で日本企業のロゴを見たのははじめてのことだ(1993年にロンドンを初訪問した時は、ピカデリー・サーカスに「SANYO」の看板があったのに・・・)。
少し晴れ間も見えて、湖水地方にしては天気上々。


駅のホームで日本人ガイドHさんとドライバーのギャリーと落ち合う。ツアー参加者が僕だけだったので、ラッキーなことにプライベートツアーになった。車はギャリーのセダン。Hさんはイギリス好きが高じてイギリスに移住。最初はロンドンに住み、10ヶ月程前に湖水地方に引っ越してきたという。「湖水地方ははじめて?」と聞かれ、「去年8月にOasisのライブを観にきた時、ロンドンとエディンバラのライブの合間に来たよ」と答えると、「Oasisの音楽はいいけど、あの兄弟はクソだ」とギャリー。あぁ、僕は今、イギリスにいるんだなぁ。
今日は湖水地方の南部(地図の下部)を廻り、明日は中部と北部を廻る予定。

13:40 ヒルトップ
『ピーターラビット』の著者ビアトリクス・ポターが1900年代初頭に住んだ農場である、ここヒルトップには昨年もツアーで来たが、その時は小雨模様で、8月だというのに手がかじかむ寒さだった(手袋がほしかったくらい)。
昨年、湖水地方を廻った話はこちら↓

ヒルトップは湖水地方のツアーに必ず組み込まれる人気スポットなのに、前回はなんの知識もなしに来てしまったので、今回は事前に『ピーターラビットのすべて ビクトリクス・ポターと英国を旅する』を読んで予習はバッチリ(『ピーターラビット』は未読のままだけど・・・)。

駐車場からヒルトップに向かう途中、羊の親子に出くわす。黒い赤ちゃん!





今でも敷地の一部が農場のままなっていて、奥の方に餌食む牛が見えた。

ポターが住んでいた家の中にも、絵本の挿絵に登場するところがたくさんある。




2階に上がると、『2ひきのわるいねずみのおはなし』の展示。


絵本に出てくるような売店では、グッズやポターの著書を販売している。

14:00 ホークスヘッド(Hawkshead)
自然に囲まれた教会を起点に村を散策。この村も前回のツアーで来たので、だいたいの感じは覚えている。




ポターの絵本に登場する風景や白壁の家々を見ながら歩いているうちに、あっという間に小さな村を一周してしまった。




おやつの時間が近いので、アイスクリームを食べて休憩。アイスを食べたくなるような陽気でよかった(これ、本当に大事)。



15:00 ターンハウズ(Tarn Hows)
1929年にポターがこの湖を含む広大な土地を取得し、現在はナショナルトラストが管理、ポターの意思を継いでこの美しい景観を守っている。湖面を眺めながら、肺がキレイな空気をたくさん吸い込んでいるのが分かる。


16:00 ホテルチェックイン
リゾート地によくある、個人経営のプチホテルに送り届けてもらって、今日のツアーは終了。


なんで欧米のベッドってこんなに小さいの?
ホテルはボウネス(Bowness)と去年滞在したウィンダミア(Windermere)の真ん中に位置している。荷ほどきしてオレストヘッドへ。

17:00 オレストヘッド(Orrest Head)
10回も瞬きをするうちに終わってしまうウィンダミアのメインストリートを通り、去年宿泊したホテルを眺めてオレストウッドへ。




オレストヘッドは小高い山で、麓から頂上までは徒歩20分くらい。


頂上に登ると、360℃パノラマの絶景が開ける。果てしなく気持ちがいい。オレストヘッドは、「アクセスよし、空気よし、景色よし」の三拍子が揃っているので、前回の滞在中には、朝夕2回来た日もあった。



下山してUberを呼び、ドライバーのギャリーお勧めのレストラン「Quayside」に向かう。
18:30 Quayside
店内は混んでいたので、空いている奥のスペースのテーブルに座る。

なかなかオーダーを取りに来てくれないので、ホールスタッフに声をかけると、「ここはバースペースだから、自分でバーカウンターに行って注文してね」と。なるほど。


カンバーランド・ソーセージ(Cumberland Sausage)とガーリックチーズブレッドを注文。


ウィンダミア湖に夕陽が落ちるのを見ながら、胡椒が効いて肉のゴロゴロした食感のあるソーセージを食べる。カリカリの食感がビールによく合う。




腹ごなしを兼ねて、湖畔を散歩しながらホテルに戻る。







22:30 就寝
お腹は一杯、外は真っ暗になったので早めに寝る。リゾート地のいいところは、暗くなったら潔く寝ちゃえることだ。

