数年前の早期退職後、頻繁にロンドンを訪れるようになった(もう一つのエンターテイメントの本場であるニューヨークには、近年複数の理由から行く気にならない)。観光、レジャー、グルメ、ライブ、ショッピングなど、旅の目的は人それぞれだが、僕の最優先事項は音楽だ。観たいライブをピックアップして旅の骨格を作り、その合間に観劇や観光の予定を入れ、週末はロンドン在住の友達と会って旧交を温める。そんなエンタメ鑑賞を主軸としたロンドン旅行の組み立て方をご紹介したい。
【旅のプランニングの流れ】
- 好きなミュージシャンのライブ告知が届く → チケットを取る
- 1.のライブ前後で観たいライブを探して、チケットを取る → 旅のスケジュールが固まる
- 航空券とホテルを予約する
- ライブの合間に観劇の予定を入れて、チケットを取る
- ライブと観劇の合間に観光の予定を入れ、友達と食事の約束をする
【ライブの探し方】
ライブ検索サイト「Songkick」にロンドン滞在期間を入力して、観たいライブを探す(Songkickはロンドンだけでなく、世界中の都市のライブを検索できる)↓
僕はこのサイトで、Liam Gallagher & John Squireや10cc、Corinne Bailey Rae、Bobby Rush、Geraint Watkins、Tonya & Robert Fripp、青葉市子らのロンドンライブを見つけて観に行った。検索時にチケットが売り切れていても、リセールチケットが出ることがあるので、根気強くチケット販売サイトをチェックすることをお勧めする。
次にチェックするのが、ソーホーの老舗ジャズ・クラブ、ロニー・スコッツ(Ronnie Scott’s)のサイト↓
1959年開業のロニー・スコッツでは、ウェス・モンゴメリーやスタン・ゲッツ、バディ・リッチ、エラ・フィッツジェラルド、ビル・エヴァンス、サラ・ヴォーン、チェット・ベイカー、ニーナ・シモンズといったジャズ・レジェンド達がライブ演奏を録音し、近年ではジェフ・ベックやノラ・ジョーンズがライブ映像を収録したので、それらのソフトを介してロニー・スコッツの名前を知った人も多いだろう。

我が愛聴盤、ヴァン・モリソンとジョージィ・フェイムの共演アルバム『How Long Has This Been Going On?』(1995年)もロニー・スコッツでライブレコーディングされた。


現在、ロニー・スコッツではメジャーなミュージシャンやブレーク寸前のミュージシャン達が、ストレート・アヘッド・ジャズからコンテンポラリー・ジャズ、ファンク、R&B、ソウル、フュージョン、ワールド・ミュージックまで幅広い音楽を毎夜奏でている。ここでは様々なミュージシャンを観てきたが、メジャーどころでは、John Scofield、Lee Retnour & Dave Grusinを観た。
出演ミュージシャンの紹介ページにライブ動画かMVのリンクがあるので、試しに動画を見てみる(リンクがない場合はYouTubeを検索すれば、大抵ライブ動画が見つかる)。名前すら知らないミュージシャンでも、「楽しめそう」と思ったらチケットを取る。
ソールドアウトになることが多いので、事前予約は必須(当日の飛び込み入場はほぼ不可能)。特に、メジャーなミュージシャンのチケットは発売直後に売り切れるので、旅行の大枠が決まったら、なるべく早く予約したい。一人で行く時は、ちょっと高いけど「プライオリティ・シート」を予約すれば、ステージかぶりつきの席に通される可能性が高い(見知らぬ一人客と相席になるけど、それは仕方ない)。
チケット代が比較的高いため(出演者によって変わる)、客層はシリアスな音楽好きのイギリス人と観光客。狭い店内にギュウギュウに客を詰め込むため、客席は窮屈だが、雰囲気は抜群。




「音楽には2種類しかない。いい音楽か、そうでないかだ」(”There are simply two kinds of music, good music and others.”)というデューク・エリントンの言葉があるけれど、僕にとって「いい音楽」と出会える場所、それがロニー・スコッツだ。
ロニー・スコッツでライブを観た話はこちら↓


次にチェックするのが、カムデン・タウンにあるライブハウス、ジャズ・カフェ(Jazz Café)のサイト↓

全て指定席のロニー・スコッツに対して、ジャズ・カフェは1階がスタンディング、ステージを見下ろす2階は食事用の指定席となっている。ジャズなどの名盤アルバムトリビュートや、往年のミュージシャン、若手ミュージシャンのライブが多く、スタンディングということもあって、チケット代はロニー・スコッツより安い。客層は出演者によって変わるが、メインフロアがスタンディングなので若い観客も多い印象。カジュアルにライブ演奏を楽しみたい時にピッタリ。


2階の食事用指定席はステージが見にくそう
ジャズ・カフェでライブを観た話はこちら↓

次にチェックするのが、ロンドンで複数の店舗を運営するピザ・エクスプレス(Pizza Express)のサイト↓
ピザ・エクスプレスはピザ・レストランだが、地下がライブスペースになっており、本格的なピザを食べながらライブを観ることができるユニークな店だ(開演前に食べることも可)。駆け出しのジャズ・ミュージシャンや、いかにも観光地ノリなトリビュートバンド(モータウン・トリビュートなど)が多く、その分、チケット代はジャズ・カフェよりも安い。ピザでもつまみながら気軽に音楽を聴きたいな、という時にピッタリ。




ピザ・エクスプレスでライブを観た話はこちら↓

<追記> 2026年9月23日にブルー・ノート・ロンドン(Blue Note London)がオープンすることが分かった。今後は、旅のプランニングの際にチェックしよう。
【ミュージカルや演劇の探し方】
ライブの予定を固めた後に観劇のスケジュールを入れる。ミュージカルや演劇はロングランを前提としたものが多く、曜日によってはマチネ(昼公演)もあるので、スキマ時間を埋めやすい。
ミュージカルはこのサイトで探す↓
演劇(ストレートプレイ)はこちら↓
英語が苦手な人にもお勧めしたいのが、ウェスト・エンドで最長のロングランを誇るコメディ『The Play That Goes Wrong』。スラップスティックなので、言葉が分からなくても何が起きているか分かりやすく、イギリス流ユーモア満載の演目だ。

【イベントの探し方】
ライブと観劇のスケジュールを決めた後、観光名所や美術館訪問などの予定を組む。
イベントや美術館の企画展示は、「タイム・アウト」(日本の「ぴあ」的なもの)で調べる↓

【ロンドンの常宿】
最後に、僕のロンドンの常宿「シーザーホテル」(The Caesar Hotel)をご紹介したい。
シーザーホテルの公式HP↓
Booking.comのシーザーホテルのページ↓
ロンドン・ヒースロー空港到着後、ヒースロー・エキスプレスでロンドン中心地のパディントン(Paddington)駅に向かう(同ルートにはエリザベスラインもあるが、ヒースロー・エキスプレスよりも停車駅が多くて時間がかかるし、大型カバン用の棚がないので、僕は利用しない)。
シーザーホテルはパディントン駅から徒歩10分のところに位置し、地下鉄セントラルラインのランカスター・ゲート(Lancaster Gate)駅、クイーンズウェイ(Queensway)駅、サークルラインとディストリクトラインが乗り入れるベイズウォーター(Bayswater)駅が徒歩圏内にあり(つまり4駅が徒歩圏内)、便利至極。ウェスト・エンドの劇場街やジャズ・クラブの多いソーホーにセントラルライン一本で行けるのもよい(ランカスター・ゲート駅からトッテナム・コート・ロード駅まではわずか4駅、7分)。

スタッフのサービスは温かく、各部屋にエアコンと冷蔵庫があり、小さな公園(その名も「クイーンズ・ガーデン」)に面しているので、静かな環境だ。公園側の「Classic Garden」に滞在すれば、小鳥の声で目覚めることだってできる。部屋は床にスーツケースを広げることすらできない狭さだが、ロンドンでは仕方ない(同ホテルにはもっと広い部屋もあるが、当然高い)。

デスクなし スーツケースを床に広げられないが、快適な室内

朝食はレストラン並みに美味しい。


このホテルに滞在するようになって、朝食後に徒歩10分弱のハイド・パークで散歩することが日課になった。


音楽に関していえば、Discogsでイギリスのセラーからレコードを買う場合、このホテル宛に「気付」で発送してもらうようになった。日本出発前に注文して、商品到着前にホテルに連絡しておけば、快くレコードを受け取り、預かってくれる。最近はレコード代よりも日本への送料の方が高い、なんてこともあるので、イギリス国内の送料でレコードを受け取ることができるのは助かる。

同様に、ライブコンサートの紙チケット(主にVIPチケット)もこのホテル宛に「気付」で送る。「国際郵便だと日本出発前にチケットが届かないかも」と心配になるが、ロンドンに信頼できるホテルがあれば安心だ。
終わりに
この記事がエンタメを愛すあなたの旅のプランニングの一助になれば幸いです。



