8時半起床。今朝も野菜多めの朝食を取る。前のテーブルのイタリア人家族が時間をかけてゆったりと朝食を取っている。イタリア人にとって食事は大切な行為なのだと感じる。

峰不二子問題
レストランを出てすぐのところに貼ってあるチラシに目が止まる。「峰不二子」のイラストを使っていたからだ。翻訳アプリをかざしてみたら、技術者の求人広告だった。なんでこんなところに不二子が?と不思議に思ったが、世界は僕が考えている以上に交わり、溶け合っているんだろう。翻訳アプリにはもう少し頑張ってほしかった・・・。


スフォルツァ城
今日はミラノ観光の日。最初に「スフォルツァ城(Castello Sforzesco)」へ。







ロンダニーニのピエタ
城の広大な敷地内にある「ロンダニーニのピエタ美術館」でミケランジェロの遺作「ロンダニーニのピエタ」を観る。ミケランジェロが視力を失ってから制作された石像で、未完成とも完成済みとも言われている。若い頃の技巧を凝らした情熱的な作風の片鱗すら残っていないが、この荒々しい彫り跡からは、老成した達観と未だに何かを希求する強い意志とを同時に感じる。


アッセの間
レオナルド・ダ・ヴィンチが設計し、天井画と壁画を自ら描いた「アッセの間」を観るために、市立博物館(これも城内にある)へ。残念ながら「アッセの間」は改修中だった。「これ、原型とどめてる?」と思うくらい天井画はボロボロだ。

城を出ると、カワイイ乗り物たちを見かけた。



最後の晩餐
13時半、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)で「最後の晩餐ツアー」に参加。

一部が見えてきた


「最後の晩餐」がある
「最後の晩餐」がある部屋への入場は厳密にコントロールされており、前のグループが絵を見ている間は(鑑賞時間は15分)待機スペースでガイドの説明を聞き、前のグループの退場後に入場する「完全入替制」だ。


「最後の晩餐」は教会内にあるというので、もっと荘厳な雰囲気のところにあると思っていたが、教会に隣接する修道院の食堂にあった(現在は絵の展示室になっている)。「汝らのひとり、我を売らん」、その瞬間を切り取った絵は壁に描かれていた。ガイドの説明を聞いて、キリストを除く12使徒が3人ひと組になっている事をはじめて知った。なるほど、この絵をドラマティックだと感じるのは「使徒3:使徒3:キリスト1:使徒3:使徒3」の構図になっているからか。「最後の晩餐」は「最後の晩餐の様子を演じた舞台の様子を描いている」とも言われる。確かに横並びで食事を取る光景は不自然で、演劇的だとも言える。映画『家族ゲーム』(森田芳光監督)の「横並びの食卓」を連想する人も多いだろう。




ダ・ヴィンチ科学技術博物館
続いて「ダ・ヴィンチ科学技術博物館(Museo Nazionale della Scienza e della Tecnica Leonardo da Vinci)」。

レオナルド・ダ・ヴィンチがなぜ天才と称されるのか、この博物館の展示を見て初めてわかった。乗り物から機械、兵器、城、運河、果ては治水計画や街まで設計しまくっている。この多彩な才能は、とあるアニメーション監督を想起させる。
乗り物




機械
ダ・ヴィンチが残した画稿をCG化した動画はイメージしやすかった。



兵器




城




運河


治水計画


この博物館はダ・ヴィンチの名前を冠しているが、ダ・ヴィンチ以外にも科学技術に関する幅広い展示がある。




イタリアの小麦粉とトマト
夕食は再びホテル隣接のレストランで。今一番食べたいカツ丼に最も近い(?)カツレツを所望した。サクサクのカツレツにチェリートマトとルッコラを乗せて食べると、これが絶妙の組み合わせで唸る。そういえばカツ丼にも玉ねぎ(野菜)と三つ葉(ハーブ)が使われる。豚カツには各国なりの「カツ・野菜・ハーブ」の黄金トリオがあるのかもしれない。パスタはトマトソースとベーコンのシンプルイズベスト。今夜、イタリア産小麦粉とトマトに対する信頼は確固たるものとなった。


ルッコラを乗せて食べた

食べ過ぎたので、腹ごなしに夜の散歩をして24時就寝。

〈追記〉帰国後調べたところ、アニメ「ルパン三世」はイタリアで1979年から繰り返しTV放送されており、非常にポピュラーだそうだ。なるほど。
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