緊張しているのか、6時に目が覚めてしまう。ジョージ・ハリソンの家で起きるなんて、不思議な気分だ。気温20℃で過ごしやすい。フリーズドライ雑炊とバナナの朝ごはんを食べて、ポール・マッカートニーが1950年から56年まで住んだ家まで散歩。ジョージの家からは徒歩5分のところにある。わずか数ブロックしか離れていないところに二人の家があったなんて知らなかった。



ビートルズ・チャイルドフッド・ホーム・ツアー
ウーバーで「ビートルズ・チャイルドフッド・ホーム・ツアー」待ち合わせ場所のサウス・パークウェイ駅へ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが住んでいた家は、現在ナショナル・トラストが所有しており、ツアーもナショナル・トラストによって運営されている(要事前予約)。ツアー参加者は15名。駅からツアーバスでジョンとポールの家を回って駅に帰ってくる。家に着くとガイドが待っていて、家の歴史や周辺環境、ジョンとポールの生活について説明をしてくれる。残念ながら、屋内は写真撮影禁止(著作権の問題だそうだ)。


ジョン・レノンの家
ジョンの家では裏庭の奥まで行って塀をよじ登り、ストロベリー・フィールズに忍び込みたくなった。



ポール・マッカートニーの家
ポールの家ではリビングルームが印象に残る。ここでジョンと一緒に「I Saw Her Standing There」を作曲したそうだ。ジョンとポールの作曲風景の写真(ポールの弟マイク撮影)がリビングルームの壁に飾られているので、臨場感が凄い。



家に忍び込んだパイプ
カサバ・コーヒー・クラブ
サウス・パークウェイ駅に戻ってツアー終了。駅からウーバーで「カサバ・コーヒー・クラブ」に向かう。「カサバ」はビートルズの元メンバーであるピート・ベストの実家敷地内にあるクラブで、クォリー・メン(ビートルズの前進バンド)のメンバーが内装を手伝ったことでも有名だ。ずっと行ってみたかったが、リバプール中心部から車で20分かかるのと、ツアーの事前予約が必要な事からこれまで訪問は叶わなかった。


ジョンが入口近くの壁にナイフで削った”John”のサイン、メンバーがペイントした天井、シンシアが描いたジョンのシルエット画などなど、見所満載でクラクラする。



建物の一番奥にピートが蜘蛛の巣の絵を描いたメインステージがある。ステージ前の柵はステージを作った当初はなかった。クォリー・メンのライブの度に観客がドンドン増えていって、熱狂したファンがステージに殺到するようになったので、やむを得ず柵を設置したそうだ。「史上初の観客コントロールだよ」とガイドが教えてくれる。なるほど。ジョンがハンブルグから帰国してナイフで掘った”JOHN I’M BACK”は、このステージの天井にあった。それにしても、自分の名前を壁に掘るなんて(この建物内だけでも二つある!)、ジョンはどれだけ自分の事が好きだったんだろう。


ポールが「カサバはすべてが始まった場所」と語ったが、クォリー・メン時代にジョンとポールが演奏したミニステージもそのまま残っている。通路の奥にステージがあり、本当に狭い。通路の両側に木製のシートがあるが、10人も座れば満席になりそうだ。「本当にここからすべてが始まったんだ」と実感して感動した。


天井のレインボーはポールが塗った

バーガーキングで遅い昼食を取り、アルバート・ドックまで散歩。川辺は涼しくて気持ちいい。


ウーバーでジョージの家に戻ると(変な感じ)、裏庭にはあの2匹がいた。


今日は、ジョージの家で目覚めてジョンとポールの家に入り、カサバ・コーヒー・クラブにも行ったので、自分がジョージになった様な気分だった。23時半就寝。
参考文献 『ビートルズはここで生まれた 聖地巡礼 from London to Liverpool』藤本国彦著 CCCメディアハウス 2018年
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