【「oasis Live ‘25」4公演目】
9時起床。マンチェスターでの5公演中に最前列を狙いたいが、最高気温30℃超の今日ではないと判断。サポートアクトの演奏が始まるまでホテルでのんびりしようと思っていたら、「フロントスタンディングエリアの『フロント・フロント』に入れるのは先着9千人限りで、その後は『ミドル・フロント』になる※」とのSNS情報を発見。
※フロントスタンディングエリアは二つに分かれており、便宜上、ステージに近いエリアを「フロント・フロント」、遠いエリアを「ミドル・フロント」と呼ぶ。
急遽、ヒートン・パークへ
急遽、13時半にはホテルを出て会場に向かうことにした。ウーバーで会場に向かったところ、昨日より出発時間が早かったため、スムーズに会場付近に到着。定刻15時のところ、14時に開場。バッグサーチは昨日よりはるかに厳しかった。違法薬物対策なのか、スマホのカバーを外すよう指示され、財布の中身までチェックされた。非常食としてカバンに忍ばせていたバナナは見つかって没収されてしまった。リストバンドの番号は1万番を超えていたが、「フロント・フロント」に入ることができて一安心。昨日と同様バリア前に場所を確保できた。



昨日、待ち時間にずっとiPhoneをいじっていたら「高温注意」が出てしまったので、今日は紙の本を持参した。どんな時でも頼りになるのは、紙だ。
暑い土曜は、ライブが荒れる
サポートアクトのリチャード・アシュクロフトの演奏が始まる前にトラブルの予感。泥酔いカップルが酒を持って現れ、僕の足元にビールがなみなみと注がれた六つのカップを置いたのだ(既に泥酔いしてるのに)。男は狭いスペースにもかかわらず、カップ片手に踊りながら、リチャードに合わせて歌い狂うので(というか、「吠え狂う」と表現した方がしっくりくる)、近くの客にビールをバシャッとかけてしまった。かけられた客が嫌な顔をして、さすがに男は謝った。しばらくは大人しくしていたが、さらに酒を喰らい、行為はエスカレート。後ろのバリア越しにいる「ミドル・フロント」の観客を大声で煽る。うるさくて演奏が聴こえやしない。連れの女を肩車してセキュリティから注意されると、逆ギレしてスタッフを恫喝する始末。


オアシスが始まってもこの状態が続いたら嫌だなと思っていると、女が「トイレに行きたい」と言い出した。そりゃ、あれだけ酒を飲めばトイレにも行きたくなるだろう。男はオアシスの出番が近いので渋っているが、女に押し切られてオアシスの登場10分前にトイレに行った!「フロント・フロント」はほぼパンパンなので、人垣をかき分けてスタンディングエリアの出入り口まで往復していたら、開演までには戻ってこられないだろう。
平穏が戻り、周囲に安堵の空気が流れる。あとはオアシスを待つだけだ。10分が経過して「いよいよ」という時に、なんと泥酔いカップルが戻ってきた!神はいない!と思ったが、僕の前を通り過ぎてさらに会場の中央寄りに向かって進んで行った。否っ、神はいた!
今日は土曜日だからか、昨日よりも観客の酩酊度、肩車率、私語率、人口密度、すべてが高い。思えば、昨日の「フロント・フロント」は平和だった。
夕日を浴びるオアシス
それでも、夕日を背に大合唱する群衆の姿は今夜も美しかったし、「ヒートン・パーク」でしか味わえない気持ちの高まりがあった。


「Stand by Me」「Whatever」「Live Forever」「Rock’n Roll Star」「Don’t Look Back in Anger」「Wonderwall」といった大きなシンガロングが起こる曲では、七〜八万人の歌声がマンチェスターの青空に吸い込まれていった。
アンコール
日が暮れて涼しい風が吹き始め、オアシスとしてリアムがノエルのメロディを歌う、そんな光景を見られるとは思わなかった。4日目にしてバンドの演奏は安定感を増し、ギャラガー兄弟はより打ち解けているように見えた。




昨日頻繁に焚かれたスモークは今日は見当たらなかった。あれはバンドに対する特別な帰郷祝いだったのか、それとも厳しいセキュリティチェックで没収されてしまっただけなのか、真相は分からない。
ホテルに戻ってビールを一杯。パッキングして1時半就寝。

この度、23日目の記事はこちら(ジョージ・ハリソンの家に泊まります!)



